うまのて雑記帳・うまのて的こころ

淡水小物釣りとB級グルメをメインにグダグダ書いたブログ


※更新停止に伴いコメント欄を停止したら過去のコメントまで読めなくなってしまいました。
たくさんのご意見ご感想ありがとうございました。

★とある試験会場にて。

 
そういえば中央競馬の騎手・調教師試験の合格発表がありましたね。騎手では兵庫の岩田騎手が合格し、愛知の吉田騎手は涙を飲む結果になってしまいました。競馬学校出の新人の中には的場均調教師と黛幸弘調教助手のご子息の名前も。黛幸弘調教助手というと私の中ではクリトドバン号で最終レースで大穴出してたことが思い出。あとは「トウショウボーイに乗ったことのある唯一の現役騎手は?」なんていうプチトリビアのネタになってたりしてましたかね。
的場均調教師の現役時代に関しては語ることが多すぎという感じ。パドックで口笛吹いて馬の首筋撫でてたのも印象深いです。


試験といえば、これをお読みの皆さんもいろんな試験を受けたかと思います。入学試験はもちろん、車の免許とか。あとは仕事上必要な資格を得るために試験を受けた方もいるかと。
私は仕事上「クリーニング師」の資格を持ってます。衣類のクリーニング所には必ず1人は置かなければいけません。
ちなみに法律(クリーニング業法)上ではクリーニング所というのは業務用の機械を設置してる店舗・施設のことで、街中に多数ある作業を行わず品物のやり取りだけをする「取次ぎ店」はクリーニング所に含まれません。また、クリーニング師の資格を持ってないとアイロン持ったり、作業をしてはいけない、というのでは無く、各クリーニング所に最低1人置けばいいということになってます。
法律上、クリーニング業というのは「衣類を預かり、原型のまま洗濯する」、また、「繊維製品を使用させるために貸与し、その使用後回収して再び洗濯しまた貸与することを繰り返し行うものも含む」、というのが定義になっており、いわゆるクリーニング店の他にも貸しオシボリとかリネンサプライもクリーニング業に含まれます。ちなみに着物の「洗い張り」は一旦着物をほどくので、”原型のまま”という部分に該当しない為にクリーニング業とはみなされません。


さて、ちょうど今頃は各県でクリーニング師の試験が行われている時期だと思います。私が受験した神奈川県を例にして話を進めますと、試験内容は筆記と実技の2種類行われます。筆記は前述のクリーニング業法についての事、薬剤の使用法について、また一般衛生についてなど。
実技は布地の鑑別と、ワイシャツのアイロンがけ。布地の鑑別の試験は小さな布地を何種類か渡され、それぞれが何の種類か当てればOK。手触りで当ててもいいんですが、ピンセットで布地の繊維を少し抜き取り、ライターで燃やして燃え具合と匂いで判断してもいいんです。だから受験要綱の中に”ライター・ピンセットは各自持参”という文言が謳われています。大体、木綿・麻・シルク・羊毛・ナイロン・レーヨンあたりを押さえておけばいいかな。


ワイシャツのアイロンがけは「木綿100%の白色無地、カフスと背中にタックが入っており、記名やはっきりとしたアイロンの跡がついていないもの」を10分以内に仕上げて畳む、というもの。ちなみにシャツは各自が持ち込みです。たまに明らかに「バッチリとアイロンがけが済んだものを湿らせただけ」というシャツを持ち込んで楽をしようと企む輩がいますが、事前のチェックで弾かれます。


そんな試験の会場で私は”ベタな漫画かドラマでしか見たことの無い”光景に出くわしました。試験を受ける中には明らかに”昨日・今日に初めてアイロン持ったようなヤツ”がいます。そういう連中が思いもよらない事件を引き起こします。試験で使われるアイロンは業務用の重たくてサーモスタットも付いてない古いタイプのを使います。サーモスタットが無いのでアイロンの温度はその都度注意してないとスイッチを切らない限り上がってしまいます。普通はサーモ付きのアイロンが主流で、あんまり温度のことは気にせずアイロンがけしてるでしょう
(私は頑固に古いタイプのを使ってますが)。


ちなみに古いタイプってこんなの↓。試験でもほぼ同じ物を使用
20220112231023



そんな不慣れな素人さんは目の前のシャツに悪戦苦闘していて温度まで気が付かないようで、日頃使っているサーモ付きの癖が抜けずに、温度の上がりきったアイロンをシャツに当てて焦げを作る始末。ちょいとした焦げならまだしも、私の向かいで衝撃的な光景が・・・・

アイロンの形にシャツを焦がしてる!


・・・・・シャツの背中にアイロンの形に黒焦げ付けるって、

20220112231019(画像はイメージ)


今どき、サザエさんでもやらない



私の手、一瞬止まりましたね。だって目の前には漫画の中だけと思っていた光景が繰り広げられてるんですから。危うく私も焦げ跡付ける所でしたよ、ホント。


でも、こういったドジってあんまり責められないんですよ、実は。昨日・今日に初めてアイロン持ったような人が試験受けに来るのにはワケがあります。
前述のようにクリーニング業には日頃はアイロン持ってワイシャツの仕上げなんかしなくてもいい業種まで含まれています。貸しお絞りとか、リネンサプライの人なんかは仕事でアイロン使うことなんか無いでしょう。
知り合いにクリーニング店でもない限りは業務用のアイロンを握る機会もまず無いと思われます。それでも試験はひとくくりで行われてしまうので、このようなちょっとした悲劇が起きてしまいます。
この際、貸しお絞り・リネン・布団、ジュータン洗い専門店などの業種はアイロンの実技を免除して、クリーニング業法と衛生知識のみを問えばいいような気がします。